(初稿日:2011/12/19)
日々、様々な問題があり、その問題を解決をするにはいろんな解決方法や手段があります。
この書籍にてとりあげているイシューは、その問題解決手段の1つにすぎないですが、この部分を知っているか知らないかには大きな差があると感じました。
答えを出すことができる本質的な部分を特定し、仮説をたてる。
その仮説に対して検証をしていくという流れは、Webサイトのアクセス解析をすることに似ており、業務の上でも役に立つ思考法でした。
とても難しくとらえがちのイシューですが、常に改善を求めていく上で、大切な考え方だと思います。
レバレッジメモ
悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える
悩むというのは答えが出ないという前提のもとに考えるフリをすること。対して、考えるというのは答えがでるという前提のもとに建設的に考えを組み立てること。
生産性をあげるためには、下記が必要となる。
同じアウトプットのままで労力・時間を削る
or
同じ労力・時間でより多くのアウトプットを生み出す。
多くのアウトプットとは、ヒジネスパーソンであれば「意味のある仕事」「バリューのある仕事」
バリューの本質
「イシュー度」と「解の質」の2つの軸で成り立つ。「イシュー度」とは、自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ。
「解の質」とは、そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い。
バリューのある仕事をするためには、「イシュー」の見極め、「解」の徹底した磨き込みをする。
イシュー(issue)の定義2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題イシューからはじめるアプローチ
1.イシュードリブン今本当に答えを出すべき問題(イシュー)を見極める
2.仮説ドリブン
イシューを解けるところまで小さく砕き、それに基づいてストーリーの流れを整理する。
ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計する。
3.アウトプットドリブン
ストーリーの骨格を踏まえつつ、段取りよく検証する。
4.メッセージドリブン
論拠と構造を磨きつつ、報告書や論文をまとめる
このサイクルを素早く回し、何回転もさせることが生産性を高めるカギ
イシューを見極める
「実際にインパクトがあるか」「説得力あるかたちで検証できるか」
「想定する受け手にそれを伝えられるか」
上記のような判断が必要。
イシューと仮説を言葉で表現するときの注意点
主語と動詞を含む文章で表現をすることで、あいまいさを消す。「Why(なぜか?)」
という表現には仮説がない。
「Where(どこか?どこを目指すべきか?)」
「What(何を行い、何を避けるべきか?)」
「How(どのように行い、どう進めるか?)」
と表現する。
強引にもでも仮説を立てることの重要性
仮説に落とし込まないと、答えを出し得るレベルのイシューにすることができない。仮説を立てない限り、自分がどのレベルのことを議論し、答えを出そうとしているのかが明確にならない。
仮説を立てて、はじめて本当に必要な情報や必要な分析がわかる。
仮説がないまま分析をはじめると、出てきた結果が十分かも解釈ができない。
よいイシューとは何か
本質的な選択肢
答えが出ると、そこから先の方向性に大きく影響を与える深い仮説「常識を覆すような洞察」や「新しい構造」で世の中を説明しているとすると、
検証できれば価値を生むことを誰もが納得できる。
2つを満たしていれば、答えを出す必要があると判断できる。
さらに、現在の自分の技術や状況で答えを出すことができるのが重要。
イシュー特定のための情報収集
仮説をたてるために、時間をかけ過ぎないで、取り組んでいるテーマ・対象について考えるための材料をざっくりと得る。細かい数字よりも全体としての流れ、構造に着目する。
イシュー特定の5つのアプローチ
1.変数を削るいくつかの要素を固定して、考えるべき変数を削り、見極めのポイントを整理する
2.視覚化する
問題の構造を視覚化・図示化し、答えを出すべきポイントを整理する
3.最終形からたどる
すべての課題が解決したときを想定し、現在見えている姿からギャップを整理する
4.So what?を繰り返す
だから何?という問いかけを繰り返し、仮説を深める
5.極端な事例を考える
極端な事例をいくつか考えることでカギとなるイシューを探る
イシューを分解すること
ダブりもモレもなく、本質的に意味のある固まりに分解していく。分解することで課題の全体像が見えやすくなったり、取り組む優先順位が見えやすくなる。
分解する上で、型がある場合は以下の3つにイシューを分解して整理する。
Where(どの領域を狙うべきか?)
What(どの勝ちパターンを築くべきか?)
How(取り組みをどのように実現すべきか?)
型がないときは、「最後に何がほしいのか」から考えはじめ、
そこから必要となる要素を何度もシュミレーションし逆算的に分解していく。
分解したイシューごとに仮説をたてていく。
定量分析には、比較、構成、変化と3つの型がある
比較は、同じ量、長さ、重さ、強さなどの共通項で2つ以上の値を比べる。構成は、市場シェア、コスト比率、体脂肪比率など、何を全体として考えて、
何を抽出した議論をするのか考えることが軸の整理になる。
変化は、売上や体重、ドル円レートなどの推移を時間軸上で比較すること。
3つの型しかないが、それぞれを軸にとり掛け合わせることで9つのパターンが生まれる。
原因と結果から軸を考える
比較する条件が原因側で、それを評価する値が結果側。原因側、結果側の双方でどのような比較が必要なのかを描きつつ考える。
回転数とスピードを重視する
大切なことは「停滞しない」こと。丁寧にやり過ぎないで手早くまとめる。
1回ごとの完成度よりも取り組む回数を大切にする。
偉人の教え
エンリコ・フェルミ
(実験には)2つの結果がある。もし結果が仮説を確認したなら、君は何かを計測したことになる。
もし結果が仮説に反していたら、君は何かを発見したことになる。
ハンス・ベーテ
フェルミは数字にも長けていた。必要とあれば複雑な数学を駆使することもできたが、まずはその必要があるかどうか確かめようとした。
最小限の努力と数学的道具で結果へたどり着く達人だった。
利根川進
どれほどカギとなる問いであっても、「答えを出せないもの」はよいイシューとは言えない。「答えを出せる範囲でもっともインパクトのある問い」こそが意味のあるイシューとなる。
そのままでは答えの出しようがなくても、分解することで答えを出せる部分が出てくればそこをイシューとして切り出す。
リチャード・ファインマン
インパクトのある問いがそのままよいイシューになるわけではない。答えが出せる見込みがほとんどない問題があることを事実として認識し、そこに時間を割かないことが重要だ。