(初稿日:2012/02/27)
ディズニーにて数多くスタッフを育成された福島氏の書籍です。
福島氏は1983年に第1期の正社員としてオリエンタルランドに入社後、数々の部署、グループ会社を経て2007年に退社するまで、研修プログラムを100以上開発されるという方です。
この書籍では、福島氏が取り組まれた人事や育成のメソッドを、ディズニーでのケーススタディをふまえてご紹介いただいています。
はじめて知ることになったのですが、書籍タイトルにもあるように、ディズニーでは9割がバイトの方のようです。
そして、育成もバイトの方が行うというシステムを形成されております。
育成をバイトの方が行うことは、今の世の中では珍しいことではありませんが、ディズニーのような大きな規模でシステムが確率されているとは驚きでした。
私自身は、ディズニーに行くことはほとんどないのですが、震災時でのディズニーのスタッフによる神対応は記憶に新しいです。
この書籍に書かれているマインドがスタッフの心の根底にあるのであれば、
震災時の素晴らしい対応に頷くことができます。
200ページ程度の書籍で、すぐ読むことが可能なので、これから後輩がつくという方やチームをうまく回したいとお考えの方にはオススメの書籍です。
レバレッジメモ
理想の上司、先輩
リーダーシップをもっている。ゲストや後輩をよく見て、よく声をかける。
困っている人がいれば、すぐに声をかけて手助けをする。
改善点を見つけたら、すぐに改善にとりかかる。
最悪の上司、先輩
自分のことしか眼中にない。言うことと、やることが違う。
面と向かって注意しない。
育てるときに欠かせない3つのポイント
最も効率がよいものを導き出す考え方があり、教える内容や教え方が論理的であること。後輩に過度な負担を強いることのないように心理的な工夫が施されていること。
教える側に情熱、熱意があること。
行動指針をもち、優先順位をはっきりさせる
行動指針があっても、優先順位がないと、ケースバイケースで行動にバラツキがでる。仕事の効率や生産に悪影響を与えたり、会社のイメージを損なうことがある。
自分が扱われたように、後輩は人を扱う
後輩は上司、先輩の姿をよくみている。よい手本、模範を示す。見て覚えろでは育たない
CSを低下させる、モチベーションを下げる、後輩が先輩になったとき自分の後輩を育てない。などの要因になる。リーダーシップに必要な条件
ホスピタリティマインドをもつこと。自分が模範になること。
言うことと行動が常に一致していること。
自主的に相手を思いやり、さまざまな仕事上のスキルを実践して、相手の信頼を得ることができる。
心身ともに疲労した状態か、心身ともに充実した状態か
心身ともに疲労している場合は、心の問題を解決する。カウンセリング(相談)的な対応。心身ともに充実している場合は、新しい目標を設定するなど飛躍をめざす。コーチング的な対応。
コーチング的対応
目標(スモールステップ)を設定する。スモールステップ設定→達成→スモールステップ設定→達成を繰り返させる
カウンセリング的対応
共感性をもって傾聴する。表情やしぐさ、使う言葉に注意する。
自分の意見を言わない。
結論を急がない。
笑顔のあふれる職場をつくる
ミステリーショッパーの結果、上位を占めるチームに共通点があった。それは、いつも笑顔で互いにアイコンタクトをとり、挨拶を交わし合っていること。
指示をするときは意味、理由も伝える
何かの行動を指示するときは、意味や理由も必ず伝える。目的や意味がわかれば、自分で工夫して効率よく効果的に指示されたことをやり遂げることができ生産性もあがる。
よい点があれば、すぐにほめる
人はほめられるとやる気が増す。モチベーションアップにつながる。フィードバックされることで、自信をつける
自分の仕事に対してよい反応が返ってきたとき、仕事の正しさを実感することができたとき、自信をもつことができる。自信は成長にもつながる。