(初稿日:2012/07/23)
すでに続編であるソーシャルメディアマーケター美咲 2年目として
続編が発売されている書籍です。自身の業務的としてソーシャルメディアを活用していないためか、長い間積本されておりました。
個人的には、ソーシャルメディアアカウントを持っており、日常茶飯事に活用しているのですが、企業アカウントで運用する際は、どのような運用方法が望まれるのか、まったく知識として持ち合わせておりませんでした。
この書籍を読めば、明日からソーシャルメディアを使用し儲かることができる!
といった内容ではありませんが(当然ですが)、ソーシャルメディアというツールを利用して、どのようなお客様にどのようなものを届け、そして効果検証をしていくのか、その概念的なところは掴むことができました。
個人的には、SEOであったりリスティング広告などの他の手段と連携させて、
効果の最大化を計れれば面白いなと感じましたが、現状だと、まだ先のお話になりそうです。
普段の業務にてヒントになる部分は多いはずなので、私のような企業アカウントを運用していない方でも読まれてみるとおもしろいと思います。
レバレッジメモ
ソーシャルメディアを活用することは手段であって目的ではない
認知度や購入意欲を向上させるためには向かいないメディアもある。ソーシャルメディアの情報の伝わり方
ソーシャルメディア上では、人と人やデータとの繋がりであるソーシャルグラフでしか情報が伝わらない。話題の影響範囲を把握する
自分が興味あることや知ってることは「自分ゴト」会社の同僚やSNSの繋がり間で話題になっていることは「仲間ゴト」
親とか電車の車内など、広く捉えた間で話題になっていることは「世の中ゴト」
みんなが同じものを共有しているわけではない
自分がtwitterやFacebookで共有している情報は、あくまで自分だけのものでみんなが同じものを共有しているわけではない。それぞれが違う仲間ゴトの中にいる。
ソーシャルメディアとマスメディア
ソーシャルメディアは仲間ゴトが形成される場所。マスメディアはソーシャルグラフを越えて情報を伝え、仲間ゴトを世の中ゴトに形成するメディア。
両方役割が違うので、どっちがいいというわけではない。
世の中ゴト化装置としてのマスメディア
ソーシャルメディアを活用して認知を向上させたいのであれば、マスメディアの活用を念頭に置いておく。ソーシャルメディア上での仕掛けと仕組み
仕掛けは、何がおもしろいか?何が興味深いのか?
話題性や話したくなる要素は何か?
具体的なバズコンテンツは何か?などの「装置」
仕組みは、仕掛けがクチコミで広がる「構造」を設計すること。
ソーシャルメディアマーケティングはプロセスマネジメント
ソーシャルメディアでは情報発信主体は消費者になり、企業が結果をコントロールすることはできない。理想的な結果が出るようなプロセスを考えて実行すること。
参加させていただくということ
ソーシャルメディアは企業が利用するために使うのではなく、消費者の消費者による消費者のための場所。企業はそこに参加させてもらうゲスト。
ソーシャルメディアからの流入
話題化やクチコミなどのバズからの獲得。サイトをソーシャル化させることによって発生するソーシャルグラフ経由での獲得。
ソーシャルメディア上に公式アカウントやページを開設し、そこからの獲得。
Facebookページにおける戦略設計
何を達成するために、誰とどんなコミュニケーションをとりたいのか。ユーザーがつながり続けたいと思う動機づけや必然性は何か。
何をもって成功とみなすのか、効果測定の指標と検証方法は明確か?
ターゲット別に戦略をたてる
潜在層
関係性をもちはじめる。継続的にコミュニケーションを持ち、小さな共感を蓄積させていく。
徐々にブランド好意度や購入意向を向上させる。
ファン層
ファンとつながる。ファンをエバンジェリスト化して、ポジティブフィールドバックをしてもらう。
継続購入意向や推奨意向を向上させる。
目的が曖昧だから成果が測れない
ソーシャルメディアを活用した施策によって何を解決したいのか。目的をしっかり決める。既存顧客の満足度向上による継続購入意向の向上を目的とするのであれば、継続購入意向の変化を検証する。
効果測定における手段の目的化が起きている
効果を測定すること自体が目的ではない。目的が達成できたのかを検証して、施策を改善するために効果を測定する。
KPIばかりでKGIを測定していない
アクセス解析ツールで計測可能なKPIばかり測定して、ツールでは計りづらいKGIを測定していない。ソーシャルメディア施策に接触した人と、そうでない人の差を計ることで計測できるものもある。
測定指標と評価方法
SMMは潜在顧客の育成や既存顧客のファン化に効果を発揮しやすいが、顕在顧客を効率的に刈り取るにはむいていない。それぞれの施策には明確な役割がある。
役割が違うから評価の指標も分けて測定、検証することが大事。
マーケティングゴールとコミュニケーションゴール
マーケティングゴールは売上や利益。達成のためには、多くの部署や担当者が関わる。
コミュニケーションゴールは広告やPR、インタラクティブマーケティングや
SMMの努力によって変えることができる指標。