(初稿日:2013/09/12)
完全なるジャケ買い感覚で読み始めた書籍です。この書籍名と、表紙でのインパクト。これは読まないといけないなと、心が強くひかれたわけであります。
正直なところ、この書籍を読むまでは勝負がすべてではないなと思っていたところもあります。勝ち負け以外にも大事なこともあるだろうと。ただ、それってあまちゃんな考えでもありました。
著者の桜井氏は麻雀の世界で20年負けなしで、雀鬼との異名を持つ方です。麻雀の世界には当然のように裏の世界もあるわけで、負けたら明日はないみたいな環境です。そんな偉人からすると、勝負は負けないことがすべて。とはいえ、勝ちに執着する亡霊となってもいけない。勝つことが大前提でありながら、負けないためにはどのような姿勢であるべきか。どう変化に対する感性と動きを磨いていくか。
私は麻雀ができないですし、ドンジャラすらもできないですが、とてもいいタイミングで読むことができた一冊となりました。
レバレッジメモ
・「負けない」と「勝つ」は異なる負けなければいいから、相手を追い込む必要がない。必然的に一定の限度があり、満足感、納得感がある。勝ちたい気持ちは、欲望と同じで限度がない。
・失う定め
勝ちだけを欲すると獲ることばかりを求める生き方になりやすい。得たものは失う定めにある。得て捨てるを目指す。
・負けの99%は自滅
勝ちを求める人は、動機や行動に自滅の要素を孕んでいる。負けないことの意味を理解し、負けないための思考と行動を取ることができれば、少なくとも自滅は避けられる。
・負けても勝負に感謝することが大切
負けることで自分の弱点を教えてもらい、そこからもっと強くなるための工夫ができる。
・納得と満足
人は変わっていくもの。変わっていくことに満足するのではなく、納得することが大切。変化に満足してしまうと、そこから変化ができなくなってしまう。
・自分と戦うこと
満足ではなく、納得するために人は己と戦うべき。納得を求める人は、満足で得られる勝ちを求めない。納得することにこだわりを持ち続ける。
・二兎どころか百兎を追え
ひとつのことしかやれないというのは、気持ちに余裕がないということ。余裕を持ってやれば焦ったり、迷ったり、悩んだりすることを少なくなる。余裕により気づきも増える。勝負事は気づきの多さで勝負が決まる。
・型にこだわると弱くなる
型にこだわりすぎると変化についていけなくなる。型は固定概念となり、人の心と体を硬くする。
・ミスを犯した後こそ分かれ道
ミスをしっかり受け止めず先のばしすると、同じことが怖くてできなくなる。それが結果的に違うミスを招く。
・楽を求めると隙が生まれる
厳しい道は人を鍛え強くする。次に厳しい道が現れても楽に進めるようになる。楽ばかりを選んでいると、いつまでも厳しいことは厳しいまま。