(初稿日:2012/01/10)
この書籍を手にとった際は、少しでもWebサイトやコンテンツ、広告をつくる際に、うまい文章やコピー、読みやすい表現を知識として取り入れようと思っていました。
しかし、いざ読んでみるとライティングの技術や方法のみならず、コンテンツの整理の仕方をはじめとするWebサイトの運用方法までカバーされておりました。
Webサイトを運用していくと、情報を追加することによりコンテンツが乱雑に増えてしまったり、時間とともコンテンツの内容が古くなることも多々あります。
その際に、どのように改修していけばよいか迷ってしまうもいるかと思います。
そのようなコンテンツを統合や分離、移動することによる整理方法が、簡潔ではありますがわかりやすく説明されており、ヒントを得ることができるかと思います。
書籍を通して、理解している部分もありましたが、再認識する上で非常に役にたつ書籍でした。
レバレッジメモ
Webの特性
印刷物よりも目がつかれやすい
他のメディアに比べ目が疲れやすいため、文字ばかりのコンテンツにしない、行間、配色に気を使うなどユーザーへの配慮が必要。
ページの内容が1画面に収まらない
全体を読むのにスクロール操作を余技なくされるため、最初に目に入る画面の印象がユーザーの閲覧動機を大きく左右する。
どのページから読まれるか特定できない
書籍のようにトップページから順番に読まれるわけではないので、どのページから読み始めても求める情報にたどりつける工夫が必要。
ライティングのテクニック
結論は先に、重要なことは目立たせる
どのような情報がページにあるのか最初に伝えておくことで、コンテンツの最後まで読んでもらいやすくなる。
見出しを見て本文を読むか判断する傾向があるので、興味をそそるようなコピーにしておく。
思いつきで書かず、ストーリーを先に考えておく
説明の目的がはっきりさせることで、どんな情報をどのような順番で説明すればいいのか明確化できる。説明が漠然としすぎている場合は、問題提起からはじめる。
ユーザーに質問を投げかけたら、どのような答えになるか考え、内容を練っていく。
複雑な説明は言葉だけで説明しない
情報が多くなると論理立てて説明していくのは難しくなるので、文章にできない場合は箇条書きにする。図や表、画像も説明を単純にできるので、ユーザーに情報の本質が伝わりやすい。
ユーザーと情報に距離がある場合は、ユーザーがよく知っていること例えたり、具体例を追加していく。
コンテンツ整理
コンテンツづくりの手順
コンテンツの価値の大半は企画の質によって決まる。方向性を確認し、方針を決定したら具体的なコンテンツの設計図をつくる。
おおまかな手順
1.必要な項目を思いつく限り出す2.項目をグループ分けする
3.下位のグループ分けを繰り返す
4.書きやすさや魅力の高さを基準に構造を整える
5.説明のボリュームを考え、ページの割り付けを決める
コンテンツの分け方、まとめ方
ユーザーの多くはサイト全体の一部の情報しか目にしないので、全体のバランスにとらわれず、分けやすいように分ける。分ける場合は直線的なものこそ分けやすい。
まとめる場合はカテゴリやページの名前ではなく意味でまとめていく。
表現力のアップ
目に止まることを考える
ページタイトルや見出しは、美しさよりユーザーの目に止まることを考える単なる項目名でなく、説明の要旨がわかるように具体的な項目名する。
単なる項目名は、あらかじめ強い動機を持ったユーザーしか読んでもらえなくなる。
ユーザーにとってのメリット、デメリットを伝える
人間はみんな得をしそうなことに敏感なので、目立たない位置に置かれた情報でも、目を通してもらいやすくなる。得への関心が薄いユーザーでも、損に対する反応は敏感。
説明対象を選ばなかった時の損を伝えることで、相対的に得を大きく見せることができる。
ユーザーとの距離を縮める
なるべく肯定的にはっきり表現する。否定から始まる説明は押し付けがましく、曖昧な表現が多いと自信のなさやごまかしの印象を与える。
人間は見方や考え方が似ている相手に警戒心を緩めやすいので、ユーザーが目の前にいるつもりで、同じ視点で話す。
ページの役割
サポートページは情報の網羅性、見つけやすさ、わかりやすかが大事情報の網羅性を追求すると項目数が膨らんでしまうが、分野別や目的別にインデックスを設けて整理する。
一問一答を徹底して単純な説明にし、できないのであれば代替案を用意する。
集客力のアップ
ページタイトルは具体的かつキャッチーに
ユーザーは検索結果の順番だけで訪問するページを選んでいるわけではない。ユーザーの目にとまりやすいものにする。
サイトに訪問したユーザーを引き止める
ユーザーは無駄な閲覧と同じくらい無駄な移動を嫌うため、最初に表示される見出しは魅力的に、要約文は内容をまとめたものをおく。移動をしやすくする
サイト内に欲しい情報があるとしても、見つかりづらいとユーザーは諦める。目的までの移動を減らすため、カテゴリの階層を浅くしたり、検索フォームを設置する。
サイト内へのリンクもリンク先の説明文を置くと無駄な移動を抑えることができる。
また、ひととおり移動して情報がないと判断し、他のサイトへの移動を防ぐため、関連項目を訴求する。
ネット広告への出稿はターゲットとするユーザーの心理をふまえて書く
ネット広告のコピーは、ユーザーに欲しい情報がここにあるということをわかってもらうことが大事。対象のキーワードで、ライバルがどのような表現をしているかチェックする。
検索キーワードごとにコピーを用意する
キーワードが変わればユーザーの関心事も変わる。また、運用してみなければわからないため複数のコピーを試して最適化していく。