アユダンテの退職と今までのこと

2019年9月27日金曜日

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2019年9月末でアユダンテを退職させていただくことになりました、村山です。

よくある退職エントリーですが、少し長くなってしまいました。お時間ある時に、お付き合いいただければ幸いです。

私は2013年4月にアユダンテへ入社したので、6.5年の勤続期間でした。
私が思うにアユダンテは、極端に離職率が低い企業です。私が入社した日付以降で退職した他の方は、片手で数えられるくらいのはずです。

それ故、このような退職エントリーの登場は、後先を考えても稀だと思いますが、アユダンテへの感謝をこめて書き綴ってみます。

アユダンテ入社のきっかけと反骨心

まず、アユダンテに入社したきっかけから書いてみたいと思います。

出だしから急な展開ですが、実は、2013年4月に入社する3年前の2010年に、アユダンテの採用募集を見て応募し、最終面接まで行きましたが落ちています。
おそらく、同時に私を含めて2人の応募があり、採用枠は1人だったのでしょう。まだまだ未熟者であった私は、落選してしまいました。

ここでこれからの背景のためにも、落選した頃の私にふりかえってみます。

2010年の私は、不動産関連の事業会社に勤めていました。
その事業会社のビジネスモデルは、当時としては非常にユニークなものでした。一般的な不動産会社として異なり、賃貸物件への集客からサービスの利用開始、体験完了までをWeb中心で完結するものだったのです。現在で言うところの、AirbnbやOYO LIFEにおけるビジネスモデルのはしりだったのかもしれません。

その不動産関連の事業会社に新卒で入社した私は、コールセンター、不動産営業、Webサイト制作の営業とディレクション、ポータルサイトの運営と、ひととおりの業務を学んでいきました。
2008年頃からは事業サイト、ポータルサイトにおける集客施策の"ほぼ"専任担当者となり、広告とSEOに関する業務が中心となりました。前述のように集客施策のほとんどがWebであったため、集客施策の失敗がビジネスの死に直結する、非常にヒリヒリするものでした。
2~3年ほど集客施策を中心に業務していましたが、おそれ多くもインハウス担当者は飽きるものでして、不動産以外のサイトにおける集客施策も学びたくなってしまいました。

その頃にTwitterもはじめています。
社外の方との交流は、社内では経験できない学びを得ることができるため、非常にオススメです。Twitter経由で知り合った、今でもお付き合いのある恩人の方々に、アクセス解析の団体であったa2i(現アナリティクスアソシエーション)を教えていただきました。そこで知ったのが、アユダンテです。

調べたり、セミナーに参加していく中で「SEOを学ぶなら、ここがいい!」と思い、採用募集から応募しました。前述のように、落選してしまったのですが、今ではこのときに落選してよかったなと思っています。

反骨心がそれなりにあった私は、落としたことを見返してやろうと思い、不動産関連の事業会社でさらに学ぶことを決意しました。飽きていたのは自身で決めた範囲のことだけであり、a2iやTwitterを通じて知らない世界へ踏み出してみると、まだまだ飽きるのは時期尚早だったのです。

集客施策に加え、a2iが主催するセミナーを中心に参加し、アナリティクスを中心にWebマーケティング全般を学び、学んだことを施策で実践していきました。

その中で、良かったことや悪かったことを個人ブログに書いたり、セミナーに登壇させていただき、共有させていただきました。
何度かセミナーに登壇させていただき機会があったのですが、インハウスSEOmeetupの第1回目で、大御所が参加する中で登壇したのはさすがに震えました。
その頃、Googleアナリティクスに関するユーザー会によるイベントである_gaTrackerにも登壇させていただきました。こちらも大御所が登壇する、聴衆側にもいるという震えを通り過ぎるほどの刺激的なイベントでした。

_gaTrackerのWebサイトからメインビジュアルを拝借。
_gaTracker https://gatracker.org/
_gaTrackerのWebサイトからメインビジュアルを拝借
(今も第一線で活躍される方々が、みんなお若い!)

私は、(なぜか最終回となってしまった)第5回目のイベントにも登壇させていただいております。マイレポート機能をフル活用した取り組みを発表させていただいたのですが、後に、Google社内で「ダッシュボードマスターがあらわれたらしいぞ」と話題になったとお聞きしたのは、よき思い出です。

当時のスライドがまだ見れました。インターネットって、すごいですね。こそばゆいものですが、よろしければご参考までにどうぞ。



現在はデータビジュアライゼーションツールとして、TableauやGoogleデータポータルに軸足を移していますが、この頃からデータを可視化することが好きだったようです。

そんなこんなありまして、また3年ぐらいの月日が経過し、その間に事業会社が買収されたり、数多くの業務を一緒に仕事していた実質の上司の死など、まさに色々あったため、その事業会社は好きでしたが退職することにしました。

退職する空気感のある発言をTwitterやFacebookで投稿していると、数社の企業よりお誘いがありました。その中に、アユダンテがありました。代表の安川さんよりメッセンジャーが届いたのです。

復讐心に燃える状態であれば、アユダンテからのお誘いをお断りする選択肢もあったことでしょう。しかし、私は復讐したかったわけではなく、結果として、色々ありましたがたくさんのことを学ぶことができました。それに加え、当時のSEOやアナリティクスにて、アユダンテ以上に学べる環境が国内には存在しないと感じていました。そのため、お誘いを断るという選択肢を選ぶことができませんでした。そして、2013年にアユダンテへ入社するのです。

入社してみると、アユダンテの皆さんの業務レベルがものすごく高く、会話についていくことで精一杯でした。。。

アユダンテでのお仕事

アユダンテでは、大きくわけて2つの業務を主に行っていました。2つの業務と、メイン業務以外でお仕事させていただいたことをご紹介します。

SEOコンサルタント

お客様のWebサイトにおける自然検索流入を増やす仕事です。
アユダンテでの施策には、大きな特長があります。それは、施策の多くがWebサイトのリニューアル時におけるコンサルティングであることです。

過去の国内におけるほとんどのSEO会社は、Webサイトに存在するページへの施策だったように思います。Webサイトに存在するページにおいて、検索エンジンで検索した◯◯というキーワードでの順位を改善し、X位だったらY万円といった、成果報酬型のサービスを取り扱うSEOの会社がとても多かったのではないでしょうか。
ただし、そのようなサービスには欠点があります。Webサイトに存在するページだけが施策対象となると機会損失が発生する可能性があるのです。

というのも、ビジネスの見込み顧客となりえるユーザーは、様々なことを検索エンジンで検索し、検索行動の基となった課題を解決しようとします。Webサイトに存在するページだけの改善施策では、見込み顧客となりえる検索ユーザーに、リーチしきれていない可能性が発生してしまいます。

ユーザーがどのようなことを考えて、どのようなコンテンツを求めて検索し、どのように課題を解決したいのか。SEOはWebマーケティング施策の1つでしかなく、そのマーケティング施策の中で、ユーザーとどのような接点を築いていけるのかを考え抜き、ユーザーにとって最適なサイトの形を目指し続ける必要があります。

そのため、見込み顧客に対してリーチしきれていないサイトを部分的に改修するのでは、対応しきれないことが多々、発生します。データベースを改修しないといけないケースや、サイト内の導線を大きく変えないといけないケースがほとんどです。であれば、Webサイトのリニューアル時に全体最適することが、成功への近道と考えることもできます。

Webサイトを通してユーザーと関係性を築いていくためには、どのような布陣のサイトが良いのかを、戦略的に考えて設計し、リリースしていただくまでのサポートに関するお仕事を学びました。

お客さまも大手事業会社や有名な企業が中心でした。「その業界といえばそこ!」とイメージできる企業が運営するWebサイトを担当させていただき、様々なビジネスモデルを学ぶことができたのは、本当に本当によかったです。

Googleアナリティクス360のコンサルタント

アユダンテは有料版のGoogleアナリティクスである、Googleアナリティクス360のリセラーです。そして、SEOコンサルタントがGoogleアナリティクス360の担当者も兼任していました(今でも兼任しているお客さまは多くいらっしゃいます)。

Googleアナリティクス360は、月額の利用料金がそれなりに高額です。
そのため、担当させていただきましたお客さまは日本を代表する名だたる企業ばかりでした。国内の多くの方が認知されているWebサイトに対して、Googleアナリティクスの導入、分析するためのサポートや社内教育を担当させていただきました。

アユダンテのサポートは非常に質が高いと思います。他リセラーがGoogleアナリティクス360の契約している企業のプロパティを、スポットで費用をいただき対応させていただくようなケースも多々ありました。
入社当時は、ユーザー、セッションとページビューの違いすらもわかりやすく説明できなかったのが、Googleアナリティクス360の業務を通じて、非常に質の高いインプットを得ることができました。

Googleアナリティクスは分析するためのツールであることはもちろんです。ただ、分析するためのツール以外の側面もあります。
それは、集計したデータを広告などに活用するデータウェアハウスのように利用するといった使い方です。そのように利用するためには、どのようなデータが必要で、どのような計測実装を行えばよいのか、を学ぶことができたのは非常に大きな経験となりました。

メイン業務以外のお仕事

私は、(無理をしてでも)人前で話こと、文章を書くことができたため、メインの業務以外のお仕事も経験させていただきました。

セミナーへの登壇

前述までに記載したSEOとアナリティクスを両軸に業務を行い、業務の中で得た知見や経験を、アユダンテドメインのブログに書いたり、社外のセミナーに登壇することでアウトプットしていきました。

全てではないですが社外セミナーの登壇歴を過去のセミナー登壇時にまとめていたので、下記に転記してみます。

村山佑介の登壇セミナー一覧

上記からもわかるように、非常に多くの機会をいただけました。ありがたい限りです。

上記のセミナーは、オープンの場で開催されたセミナーですが、クローズドなセミナーを含めると、毎月1回は登壇していたような気すらします。

アユダンテへ入社する前は、人前で話すことが苦手な性分でしたが、登壇を繰り返すと慣れがでてきました。さすがに入社後2ヶ月程度で、200名近くの聴衆がいるセミナーに登壇させられた時は「正気の沙汰か?」と思いましたが、今となってはよい経験でした。セミナー等でお話しさせていただくスキルは、アユダンテ在籍時に非常に鍛えることができたと思います。

セミナーに登壇する際のテーマもSEO、Googleアナリティクス、データビジュアライゼーションと時系列とともに変化しているのが面白いです。
各セミナーのジャンルをオレンジ色に着色してみると下記のようになります。

まずは、SEOに関するセミナー、イベント。

村山佑介のSEOに関する登壇セミナー一覧

続いて、Googleアナリティクスに関するセミナー、イベント。

村山佑介のGoogleアナリティクスに関する登壇セミナー一覧

最後にデータビジュアライゼーションに関するセミナー、イベント。

村山佑介のデータビジュアライゼーションに関する登壇セミナー一覧

2019年もGoogleデータポータルとGoogleアナリティクスのセミナーをテーマに4つ程、登壇させていただきました。セミナーアンケートを確認する限り、多くの方が参考になる、持ち帰ることができる内容をお届けできてよかったです。

書籍の執筆

こちらは業務時間外でしたが、アユダンテドメイン内のブログ以外での執筆活動として、書籍も3冊ほど執筆させていただきました。

村山佑介の執筆書籍一覧
左:いちばんやさしい新しいSEOの教本
中:できる100の新法則 Google Search Console
右:いちばんやさしいGoogleアナリティクスの教本

紙という制限がある中で、どのような文章や表現であれば、読者に伝わりやすいのか、理解してくれるのか、と非常に悩ましい執筆時間の連続でした。
私のことは知らなくても、書籍を知っていただけていることも多く、Webという媒体で仕事している中で、書籍としての役割を体験できたのはよかったです。

書籍の執筆は親戚にも喜ばれるため、執筆のチャンスがある方には、ぜひオススメします。近所の図書館や書店においてあったりすると、地味にうれしかったりもします。

守破離と退職

そして、私は2019年9月末をもってアユダンテを退職します。

2019年がはじまる頃には、退職するなんて想像もしていませんでした。まさに、青天の霹靂です。青天の霹靂と記載したものの突然決めたわけではありません。
2019年4月末から数ヶ月、悩みました。悩んだ結果の決断となります。
アユダンテでの仕事には満足していましたし、今でも大好きな会社です。
そんな私が決断に至った、1つの思想があります。それは、守破離という思想です。

守破離につきまして、こちらも過去のセミナースライドから拝借してみます。

千利休「守破離」

Wikipediaには以下のようなエピソードも掲載されており、とても好きな思想の1つなのです。

「本を忘るな」とあるとおり、教えを破り離れたとしても根源の精神を見失ってはならないということが重要であり、基本の型を会得しないままにいきなり個性や独創性を求めるのはいわゆる「形無し」である。無着成恭は「型がある人間が型を破ると『型破り』、型がない人間が型を破ったら『形無し』」と語っており、これは十八代目中村勘三郎の座右の銘「型があるから型破り、型が無ければ形無し」としても知られる。
守破離という思想と現状まで、そして決断に至った経緯を落とし込んで記載してみます。

はじめは”守”に関してです。


師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。

事業会社で好き勝手に学び、業務を行っていた私は、施策、資料や思考など様々な面にて粗削りなところがありました。それをアユダンテへ入社することで、非常にキレイに成形されたように思います。
着実に学び、実行することで、SEOやアナリティクスをはじめとするWebマーケティングの基礎をしっかりと会得しました。

次に”破”に関してです。


型を自分と照らし合わせ、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。

業務に慣れはじめた頃から、自身の得意な領域や持ち合わせた知見を、施策内容に落とし込んでいきました。SEOの施策であっても、アナリティクスでのデータ、広告に関する知見を織り混ぜながら、独自色の強い施策を行ってきたように思います。

基礎を学び、型を身につけ、その型をベースに自身のやれることを表現し、インプットとアウトプットを繰り返していきました。

しかし、その段階がある程度やりとげてしまうと、急に温度が冷めてしまうのが私の悪いところです。

これは、私の子どもの頃からの性格であるように思います。子どもの時にRPGのゲームをプレイした際、ストーリーの8割ぐらいまで到達し、それなりにレベル上げしてしまうと、それ以降は作業的な感覚に陥ってしまうのです。
新しい発見を繰り返すたび、モチベーションが維持できていたのですが、どうしてもここ数年はアドレナリンが涌き出ることは少なくなってきてしまいました。

最後に”離”です。


最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。

そこで、守破離の最後のフェーズである”離”を選択することにしました。
この道はどのような苦難が待ち受けているのかは不明です。

ただ、離れることで、この道をさらに探求できればと考えています。

最後に

アユダンテはオススメな会社です、これは本当に。ビジネスとしては、真善美という言葉が適切な企業かもしれません。

SEO、広告やアナリティクスに関しては、セールスだけを行う営業担当は存在せず、実務を行うコンサルタントがセールスも担います。そのため、無茶な施策をお客さまに提案するということはありません。

それに上場企業でもなく、上場も検討していないためか、第三者から売上に強くフォーカスされることもありません。お客さまの成果を上げることが目的となるため、成果が上がらないような、すでによくできている対象にたいしては、コストに対する価値を提供できないと考えられると、引き合いをいただいたとしても受注しないケースもあります。

営業担当もおらずアウトバウンドではなくインバウンドでの受注が中心となり、お客さまからのご紹介、口コミ、元のお客さまからの再受注やWebサイトへのお問い合わせが中心となります。そのため、施策効果には成果が必要となります。
成果を出し続けることで、次のお客さまへと繋がっている好循環があります。

また、各分野のプロフェッショナルが業務を行っており、各分野におけるナレッジの共有の質も非常に高いです。私は、たまたま社外への露出が多かったため少し目立っていたかもしれませんが、アユダンテの中には露出が少ないけど、とても優秀な方も多く在籍しています。

ただし、1つ気をつけたい点として、自身から学びにいくスタンスの方にとっては、とてもよい環境ですが、受け身の姿勢だと厳しい面もあるかもしれません。

もし、今の職場での成長に悩んでいるのであれば、とてもオススメですよ!

そんなわけで私は離れますが、アユダンテを引き続きよろしくお願いいたします。


(アユダンテの皆様、送別会までひらいていただき、誠にありがとうございました!)

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